「学生ならではの視点や発想 経営支援に生かす」
中小企業の税務相談や経営支援などを手掛ける根本税理士事務所は、大学生向けに長期インターンシップ(就業体験)プログラムを運用している。
2015年に開始し、これまでに延べ7人のインターン生を受け入れた。
インターン生は事務所の顧客である中小企業の経営支援などに携わり、学生ならではの視点や豊かな発想力を生かしている。 (竹田 ゆりこ)
一般的に士業でのインターンシップ受け入れは、業務的に専門的な内容も多く仕事の切り出しが難しいと言われている。根本税理士事務所では、長期インターンの受け入れマニュアルを整備した上で、インターン生ごとに6か月のプログラムを設定し、運用している。
今年2月から、6期目のインターン生となる大学3年生の2人が業務を開始した。2人は週3日以上出勤し、電話対応や会計入力、顧客企業の相談対応など通常業務に取り組むと同時に、それぞれ「補助金申請」と「商標の考案と登録申請」といったプログラムを進めている。
「補助金の申請」を担当している益田尚樹さんは「まずは当事務所で国の補助金を活用してみて、そのノウハウで顧客企業の補助金獲得・利用につなげていく」と、狙いを語る。
一方、「商標の考案と登録申請」を行う松浦英里佳さんは「当事務所は中小企業に寄り添った経営サポートが強み。インターン生がサポートに関わるサービスをブランド化し、商標として登録したい」と意気込む。
なかには、インターン終了後もアルバイトとして働き続ける学生も。中村匡希さんはその1人で、大学院生となった今も現役インターン生の育成・指導にあたっている。「経営者と従業員の間には大きな隔たりがあることも多く、そこを埋める役割をインターン生には期待している」と力を込める。斬新なアイデアや軽いフットワーク、SNS(会員制交流サイト)での発信力など、学生が得意とする力を顧客企業の経営支援で発揮してもらう。
税理士でもある根本代表は「長期インターンの受け入れには時間や労力など、手間もかかる。しかし、インターン生の会話力や素朴な疑問などから、学ぶことはたくさんある」と、効果を実感。「今後も続けていきたい」と話している。
中部経済新聞 2018.5.1掲載